東日本大震災により被災された皆さまに、まずは心からお見舞い申し上げます。
僕が運営に関わっていたMELL EXPO 2011(3/19〜20、於:東京大学)は、このコラムで2回にわたってご案内させていただいたのですが、来場者の安全確保、海外ゲストの招聘、電力供給の問題など、諸般の事情により、無期延期させていただくことになりました。今後の対応については、運営メンバーで協議の上、追ってお知らせいたします。
震災発生以後、MELL EXPO 2011の追い込みを含めて、多くのスケジュールが白紙になったこともあり、この未曽有の出来事を伝えるメディアの動向を注視していました。とくにテレビとtwitterに釘付けの10日間でした。
多くの人が感じているように、新聞やテレビにおける震災報道の課題だけでも、ずいぶんとたくさんのことが見えてきました。とりわけNHKが果たした公共放送としての役割、テレビとネットとの連携が(皮肉にも)進んだことなどは大いに評価できますが、課題も数えきれません。たとえば、被災現場における取材の倫理。阪神淡路大震災の苦い教訓として、ヘリコプターでの取材にともなう轟音が救助活動の妨げになることがネットで指摘されていましたが、今回も少なからずおこなわれていました。また、被災者との接し方、恐怖を煽る津波の映像の反復なども、これがいったい誰のためになっているのかと、たびたび問題になりました。そして震災報道から通常編成への「復帰」のタイミングの是非、あるいは企業のCM自粛にともなうACジャパンによる穴埋め......。とても一言ではまとめられません。ひとつひとつ時間を掛けて検証していきたいですが、原発事故は予断を許さない状況が続いており、しばらく先のことになりそうです。
その一方、twitterやfacebookに代表されるソーシャルメディアの果たした役割も、その弊害と併せて検証しなければならないと思います。これらが大震災の中でどのような役割を果たし、逆にいかなる課題に直面したのか、現時点で評価するのは時期尚早なのですが、こちらについては現在の所感を手短にまとめる機会をいただきました。共同通信の「識者評論」という枠で、「東日本大震災とソーシャルメディア:惨状とともに希望発信」というコラムを書き、3月18日(金)に配信されました。19日(土)あるいは20日(日)あたり、主に地方紙から成る加盟社の新聞紙面に載っているかもしれません。僕が住んでいるあたりでは、19日の山陽新聞(岡山)、20日の中国新聞(広島)に載っていました。普段はあまりやらないことなんですが、今回は文献やデータにいっさい頼らず、一晩で勢いだけで書きました。今の思いを忘れることなく刻みつけるいい機会になりました。ソーシャルメディアには明らかな限界もみえてきて、それを使って僕たちが今すぐにできる支援も限られていますが、今後の長きに渡る再建の過程においてこそ、その真価が問われるに違いないと思います。被災地に対する想像力やシンパシーを、新聞やテレビとは質的に異なるリアリティによって長くはぐくみ、持続可能な復興支援の道筋を切り開いていくことに、今は希望を見出したいです。
メディア表現やメディアリテラシーの実践や研究に取り組む僕たちにできることを模索しつつ、被災地の方々の安寧と早期復旧をお祈りいたします。
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